虫歯

生まれて間もない赤ちゃんを虫歯にさせないためにはどうしたらいいですか?

赤ちゃんの身近にいる大人が、虫歯の治療を徹底的に行い、丁寧なセルフメンテナンスを心がけ、歯科医院での定期的なメンテナンスを受けることで赤ちゃんへの感染を防ぐことができます。

生まれたばかりに赤ちゃんの口腔内は無菌状態です。つまり虫歯菌は一匹もいないということです。ではなぜ、清潔な口腔内にも関わらず、虫歯になってしまうのでしょうか。

さらに3歳までに一度虫歯ができると、再度虫歯ができやすくなってしまいます。そして、お子さんは生涯虫歯と付き合うことになるかもしれません。そのため、お子さんの虫歯は生まれてから3歳までが最も重要な時期と言われています。

親御さんは、できることなら可愛い我が子を虫歯から一生涯守ってあげたいですよね。

そこで今回は、生まれてから3歳までの虫歯について、わかりやすく解説していきます。

◆そもそも虫歯菌て何?
虫歯菌は、ミュータンス菌と呼ばれることもあります。そして90%以上の人が虫歯菌を持っていることがわかっています。つまり大半の人のお口の中には虫歯菌が住み着いているということです。

しかし虫歯菌がお口の中にいるだけでは、虫歯になることはありません。

虫歯菌は、お口に中に残っている磨き残しや食べかすなどの中に含まれる「糖」を栄養源としています。そして「酸」作り出し、歯を溶かしていくのです。それが虫歯になるということです。
そして赤ちゃんの生えてきたばかりの乳歯は、歯質がやわらかく、虫歯の進行が早いのが特徴です。

◆なぜ赤ちゃんは虫歯になるの?
生まれたばかりの赤ちゃんは無菌状態ということをお伝えしましたが、ではなぜ虫歯になるのでしょうか。早速みていきましょう。

・身近な大人から感染
赤ちゃんの身近にいる大人から虫歯菌を感染させてしまうのです。赤ちゃんと大人が同じ箸やスプーンを使ったり、愛情表現でキスをしたりすることで虫歯菌を感染させてしまいます。

まだ歯が生えていない時期は、虫歯菌のとどまる場所がなく、唾液も多いので虫歯菌が口腔内にとどまることはありません。しかし、歯が生えてくると虫歯菌はただちに歯に付着し、増殖を始めます。

しかし先ほどお話ししたように、虫歯菌があるだけでは虫歯にはなりません。栄養源となる「糖」がなければ虫歯にはならないため、歯が生えてきたら、きちんと歯ブラシを丁寧にしてあげてください。はじめは、ガーゼなどで拭いてあげるだけでも大丈夫です。

また、感染のリスクを減らすために身近な大人は、セルフメンテナンスの徹底、歯科医院での定期的なメンテナンスをしてください。虫歯菌を少しでも減らして、我が子への感染をさせないように努力しましょう。

・スキンシップもダメなの?
「キスをして、可愛い我が子を虫歯にさせてしまうのは…」と思う親御さんも多いと思います。しかし、赤ちゃんとスキンシップをとることは、赤ちゃんへ安心感を与えたり、親子のスキンシップだったり、愛情を表現する上では欠かせないことです。また、成長過程においても、必要なことではないかと思います。

赤ちゃんと楽しくスキンシップをとるために、親子揃って丁寧な歯磨きをしてたり、大人は歯科医院で虫歯の治療やメンテナンスをしたりしてすれば、何の問題もありません。赤ちゃんの頃の可愛い我が子とのスキンシップを大切にしてください。

・「魔法の水」唾液
唾液は「魔法の水」と言われるくらい、とても重要な役割を果たしています。例えば、虫歯や歯周病を防いだり、細菌の活動を抑制させたり、初期虫歯を治したりと、さまざまなすごい効果を発揮します。

そんな唾液ですが、赤ちゃんの小さなお口の中でも大人と同じ量の唾液が分泌されています。赤ちゃんのお口の中は、唾液でたっぷり満たされていますよね。そのため、1歳前後の赤ちゃんは歯が生えていても、ある程度汚れが除去できていれば唾液が虫歯から守ってくます。

◆生え始めから3歳までが要注意
先ほど1歳前後は虫歯になりやすいとお伝えしたのですが、1歳後半から3歳くらいまでが一番虫歯に感染しやすい時期になります。また、3歳までに虫歯を防ぐことができれば、大人になるまで虫歯になる確率を大幅に減らすことができます。

・感染の窓
1歳後半から3歳までの虫歯に感染しやすい期間を「感染の窓」といいます。なぜ感染しやすい時期なのかというと、一気に乳歯が生えそろってきて、虫歯菌が生えてきたばかりの乳歯に付着できるようにるためです。

・だらだら食い
お口の中は、食事をするたびに歯質の脱灰と再石灰化を繰り返しています。さらに再石灰化は、食事と食事の間でゆっくりと行われています。そのため、だらだら食いをしていると、再石灰化する時間がなく、ずっと脱灰している状態となります。つまり歯が溶けてしまい、虫歯になりやすくなるということです。

おかしや甘いジュースなどをできるだけ控えて、間食をを撮る場合には、時間を決めて再石灰化の時間をきちんと確保することが重要です。

◆最後に…
赤ちゃんを虫歯から守るためには、お母さんやお父さんだけでなく、赤ちゃんの身近にいる大人たちが、日頃からブラッシングを丁寧に行い、虫歯を徹底的になくし、定期的にメンテナンスすることが大前提にあります。

その上で可愛い我が子とのスキンシップを大切にしながら、お口の中のお手入れや、食事の取り方を気をつけてあげてくださいね。

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