程度は軽いことが多いですが、子供も歯周病にかかります。
歯周病とは、「歯肉炎」と「歯周炎」を合わせた病気です。歯肉炎は歯肉の辺縁が赤く腫れて炎症を起こしている状態です。痛みなどの自覚症状はほとんどありませんが、歯磨きをすると血が出ることがあります。歯周炎は、歯肉だけでなく歯を支えている骨にまで炎症が広がって、骨が溶け出している状態です。出血だけでなく、膿が出る、歯がグラつく、歯の間に物がつまりやすい、臭いがするといった自覚症状があります。つまり歯肉炎をそのままにしていると、ひどくなって歯周炎になります。
原因となる歯周病菌は、生まれてまもなくお口の中に入り込み、常在菌(いつもいる菌)となります。虫歯の菌と同じように唾液を介してうつるので、家族と同じスプーンを使わないなどの注意が必要です。
歯周病菌は、歯と歯肉の境目で、剥がれ落ちた細胞などのタンパク質をエサに仲間を増やします。また糖分を食べて増殖する虫歯の菌などとともに群れをつくり、これがプラーク(歯垢)です。プラークから毒素が出るため、歯磨でしっかり落とせば歯肉炎にはなりませんが、慢性的に磨き残していると、子供でも歯肉炎になります。歯磨きの習慣を改善しないと、将来は歯周炎になってしまいます。
体の抵抗力や一時的なホルモンのバランスが関係することもありますが、歯周病予防のためには上手な歯磨きが第一です。また、プラークが石灰化すると硬い歯石となり、自分では取り除けませんので、定期的に歯科医院で専門的なクリーニングを受けましょう。