抜いた方がいい場合と、そうでない場合があります
親知らずを抜いた方がいいかどうかは、上下左右4本の親知らずの状態によって違います。まず、抜いた方がいい親知らずとは、痛みがあり、虫歯が大きくて歯の神経にまで進んでいる、またはその可能性がある場合です。親知らずは一番奥にあることから手や器具が入りにくく、治療が難しいので十分な治療ができないことがあります。そのため数日から数ヶ月あとになって、ふたたび痛みがでることがあります。
また、歯並びに悪影響がある親知らずも、抜いた方がよいです。親知らずが手前の歯をおすように生えようとするとき、前へ前へおすので前歯の歯並びが悪くなるからです。
そして親知らずのブラッシングがうまくいかずに炎症をくりかえす場合も、抜いた方がよいです。生えてくる途中は歯肉の一部がかぶっていて炎症を起こしやすいのですが、生えきってもなお炎症をくりかえすのは、歯の向きが不潔になりやすい状態であるとか歯ブラシが入るスペースが足りないなどの理由があるからです。
また、かみ合う歯がないときも、歯肉を傷つけてしまいやすいので抜いた方がいいとされています。
以上のような状態でなければ抜かなくてもよいといえますが、入れ歯やブリッジの土台に使うなど、将来的な治療計画によっては残す方がよいこともあるので、早めに歯科医師に相談しましょう。お口の中を診察しレントゲン写真などで調べて、場合によっては連携している総合病院を紹介するなど、最善の方法を一緒に考えます。