Q.顎関節症ってなんですか?
A.上下のあごの関節に、痛みや音や開かないなどの症状がある、慢性的な病気のことです。
顎関節症の代表的な症状は、「あごが痛む」「あごを動かすと音がする」「口が開かない」の3つで、このうち1つ以上の症状があり、ほかの病気の可能性がない場合、顎関節症といいます。
上のあごは頭の骨(側頭骨)の一部で、そのくぼみ(下顎窩)に下あごの上先端の骨(下顎頭)が入り込み、その間に「関節円板」があってクッションの役割をしています。顎関節に大きな力が続けてかかると関節円板にズレが生じることがあり、そのままにしていると口を開け閉めするたびに関節円板がひっかかって炎症をおこすなどの症状が出ます。
原因はいろいろと考えられ、それらが重なっていることもあります。最も多いのは「悪いかみ合わせ」です。ガタついた歯並びや、歯が欠損した歯並び、上あごと下あごとの悪い位置関係などにより、悪いかみ合わせになることがあります。悪いかみ合わせのまま、堅い噛みごたえのあるものを無理して食べたり、左右かたよった食べ方をしているとよくありません。また習慣的な「ほほづえ」や「うつぶせ寝」も、顎関節症の原因となっていることがあります。ほかに、歯ぎしりやくいしばり、ストレス、ムチウチなども、原因のひとつになることもあります。
歯科医師に相談し、問診や状態で原因を調べ、ひとつひとつ無くしていくと、症状が改善することも多くあります。
Q.寝ているときに歯ぎしりをしていますが大丈夫?
A.歯やあごに大きな負担がかかっている可能性があります。歯科医院の受診をおすすめします。
歯ぎしりのせいで歯やあごに相当強い力が加わっています。強い力でギシギシと歯を摩擦させるので、歯の表面が削れたり、割れたりします。金属を被せた歯も歯ぎしりのせいで欠けたり、取れたりすることがあります。虫歯ではないのに、歯ぎしりのせいで歯に痛みがでてしまうのです。
また、歯ぎしりは、上あごと下あごを強張っているので、顎にも大きな負担がかかり顎関節症という症状を引き起こします。顎関節症は顎を動かずと音が鳴ったり、口が開きづらかったり、顎の痛みという症状がでます。あとは歯ぎしりにより筋肉が緊張し、肩こりや頭痛の原因にもなります。
歯ぎしりによる悪影響は多大ですが、寝ている無意識の間のため、自分で抑制したり治療する方法はありません。歯ぎしりの原因には、ストレスも関係してるのですが、歯並びや噛み合わせ、成長期の顎の変化によっても影響をうけます。もし歯ぎしりがひどい場合には、一度お口の中に問題がないかどうか検診を受けられることをおすすめします。歯ぎしりの原因が見つかるかもしれません。
歯ぎしりを抑える方法としてマウスピースというものがあります。寝る前に装着するとマウスピースが歯と歯の摩擦を防ぎ、顎への負担を軽減してくれるというものです。最初は慣れなくてお口の中に違和感を感じるかもしれません。慣れてくれば逆にリラックスしてよく眠れるようになると思います。
歯ぎしりでお悩みの方は一度歯科医院にご相談ください。
Q.どうして歯ぎしりをするのですか?
A.歯ぎしりの原因はいくつか考えられますが、ストレスによるものが多いようです。
歯ぎしりの原因はストレスのほかに、悪いかみ合わせ、過剰な喫煙や飲酒の習慣、逆流性食道炎などがあげられます。歯ぎしりによって、歯がしみやすくなったり、ひどいときは歯が割れることもあります。
また、顎が痛んだり音がなったりする顎関節症や、口の中の骨が異常に発達するなど、お口の中や周りに歯ぎしりの痕跡が残ります。ストレスとは、体に外傷・中毒・寒冷・精神的な緊張などの刺激をけたときの反応のことで、とくに精神的な緊張は誰もが感じます。人間関係で気になることがあったり、環境の変化、不安などは普通にあることですが、そのストレスを発散しようという自然な行動のひとつが「歯ぎしり」といえます。
歯ぎしりは寝ている間に歯を強くこすり合わせ、音が出るので周りの人に言われて気づくことがほとんどです。 これに似たものとして「くいしばり」がありますが、ぐーっと奥歯をかみしめて音はでないので、周りの人は気づかず本人も顎が痛いなどの何らかの症状がでて初めて気付きます。また、くいしばりは、寝ている間だけでなく起きているときも見られることが特徴です。 状態によってはマウスピースを作るなどの対処が必要ですので、気になるときは早めに歯科医師に相談しましょう。