歯ぎしりは、歯だけでなく、体へも悪影響を及ぼします。現在特に歯や体へ影響がでていなくても、一度歯科医院で診察を受けましょう。
歯ぎしりは、日本人のほとんどの方が経験したことあると言われています。そして、その多くの方が睡眠中に無意識での歯ぎしりを経験しています。自分で歯ぎしりを自覚している方もいれば、全く自覚症状のない方もいます。
歯ぎしりを自覚している方や、家族に指摘されている方は、何かしら対策をしたいですよね。そして自覚症状のない方は、自分が歯ぎしりをしているかどうかはっきりさせたいですよね。
もちろん、そのまま歯ぎしりを放置することは歯にも体にも良くないため、早めの対策が必要です。
今回は、そんな「歯ぎしり」の全てをわかりやすく丁寧に解説していきます。
◆歯ぎしりの種類
・グライディング〜ギリギリ音〜
歯ぎしりというと多くの方が、この「ギリギリ」という音の歯ぎしりを想像すると思います。無意識に、上の歯と下の歯を擦り合わせることによって、大きな音をだします。そのため、歯や顎にはかなりの負担がかかります。
そして大きな音のため、周りの人から指摘を受けたり、場合によっては、自分の歯ぎしりの音で起きたりすることもあります。
・タッビング〜カチカチ音〜
上下の歯を「カチカチ」と噛み合わせることによって、音を出します。タッピングは、就寝時だけでなく、起きている間に行われることもあります。クライディングよりは力がかかりにくく、歯や顎への負担はが少ないです。
・クレンチング〜無音〜
噛み合わせるというよりは、食いしばる感じの歯ぎしりです。音がしないため、周りの人や自分では気付くことができません。さらに就寝中、日中共に無意識で行われるため、長時間に渡り、力がかかり続け、歯へ顎へ大きな負担がかかります。
◆歯ぎしりの起こる原因は?
現在のところ、歯ぎしりの原因は明確にはなっていません。しかし、ストレスや、過度な集中、生活習慣の乱れが原因ではないかといわれています。
人間は強いストレスを感じると、無意識のうちに体が何らかのサインをだします。例えば、体を揺すったり、首を振ったりする場合があります。歯ぎしりもそのサインの一つと考えられています。
また、仕事や勉強に過度な集中をして、強く食いしばっている場合があります。しかしその場合には、昼間の起きている時間帯なので、自分で歯ぎしりを意識すれば未然に防ぐことができます。
◆歯ぎしりセルフチェック〜私って歯ぎしりしてるの?〜
歯ぎしりは無意識で行なっているケースが多いです。そのため、音がなる歯ぎしりの場合は周りの人に指摘され気付くことができますが、音が鳴らない歯ぎしりや、1人暮らしの方の場合には気付くことができません。
今から紹介する項目をチェックしてみて、自分が歯ぎしりをしているか判断してみてください。これらの項目にひとつでも当てはまる場合には、歯ぎしりをしている可能性が十分にあります。
・朝起きた時に、顎が痛い、開けにくい、重い感じ
・肩や首が痛い、だるい、頭痛が毎日のようにある
・ほっぺたの内側左右に線がある
・歯がすり減っている、ヒビが入っている、欠けている
・詰め物や、被せ物がよく取れる
・しみることがある
◆歯ぎしりが歯や体に及ぼす影響は?
歯ぎしりによって、歯や顎に加わる力は自分の体重の5倍〜15倍ともいわれています。そのような強い力が加わり続け、悪影響がでないわけはありませんよね。そして、歯ぎしりは、歯だけではなく、体へも悪影響を与えます。
歯への影響
・歯が欠ける、割れる、すり減る
・歯周病が悪化する
・被せ物や詰め物などが外れやすくなる
・知覚過敏になる
・噛み合わせが変化する
体への影響
・顎が痛くなる、開きづらくなる
・肩こりや頭痛が起こる
・顔にシワやたるみができる
◆歯ぎしりの治療方法は?
・日中はできる限り意識する
日中の場合には自分で意識することで歯ぎしりを予防することができます。集中してお仕事や勉強するときなどには、歯ぎしりが起こりやすです。出来るだけ意識して歯ぎしりしないよう予防してみてください。
・ストレスをためない
現代社会で、ストレスなしに生活することはなかなか難しいことだと思います。適度な運動や、趣味などでストレスをできるだけ発散させ、ためないことが大切です。小さなことかもしれませんが、誰かと話したり、美味しい食事をしたりとかでもいいかもしれませんね。
・就寝中はマウスピースをする
歯科医院で、歯ぎしり用のマウスピースを作成します。マウスピースをすることで、歯ぎしりによって歯が削れることを防ぎ、顎の筋肉が最大収縮すること防ぐことができます。
マウスピースは削れても、歯が削れる心配はないですし、顎への負担もかなり少なくなります。また、保険で作成することができ、型どりをして作成するため、あなたの歯にあったぴったりのマウスピースが完成します。
・生活習慣を整える
まずアルコールやタバコは、睡眠の質を下げて、歯ぎしりをしやすい環境を作ってしまうため、極力やめるようにしてください。
基本的なことですが、規則正しく、早寝早起きをして、三食きちんとよく噛んで食べることが大切です。また、就寝前のスマホやパソコン作業も睡眠の質を下げるため、極力避けてください。
基本的な規則正しい生活が、毎日のストレスを軽減させ、歯ぎしりを改善させる一歩になります。
◆まとめ
もしかして自分は歯ぎしりをしているかも、もしくは歯ぎしりをしているけど特に何もしていないという方は、歯ぎしりについて理解していただけたでしょうか。少しでも気になる方は、まずは一度、歯科医院で診察してもらいましょう。
歯ぎしりの症状は時間をかけて現れます。そのため、今は特に症状が出ていない方も、早めの対策であなたの健康な歯を守ることができるのです。