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歯周病

歯周病と糖尿病の関係性って?

歯周病と糖尿病は相互に関係していて、どちらも悪化すれば、互いに悪影響を与えてしまいます。歯周病は糖尿病の合併症の1つで、糖尿病治療の一環として歯周病治療を行う必要があるといえます。


糖尿病の研究でも注目されている「歯周病」。
「糖尿病と歯周病」は関係があるというのはなんとなく聞いたことがあるけれど、実際どう関与しているのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか。

じつは、歯周病と糖尿病には「密接な関係性」があります。そこで今回は、歯周病と糖尿病の関係性や、相互に関係する悪循環を防止する方法についてお話していきたいと思っております。ぜひご一読ください。

◆歯周病と糖尿病の密接な関係性って?

「糖尿病は体、歯周病は口の病気なのに関係あるの?」と一見疑ってしまいそうですが、じつは密接に関係していることが明らかとなっています。

ある病気が原因で引き起こしてしまう病気のことを合併症といい、歯周病は糖尿病の合併症の1つとであるといわれています。

その関係性とは、糖尿病にかかっていると歯周病になりやすく、罹患期間が長くなると歯周病の進行が早く、早期に重症化しやすくなるというもの。

また、その逆もあって、歯周病にかかっていると糖尿病が悪化しやすくなる、とまさに悪循環の関係性であるといえます。

◆「糖尿病→歯周病」に与える影響

糖尿病とは、ブドウ糖をコントロールするインスリンが十分に働かないため、血液中のブドウ糖濃度が高くなり発症する病気です。

高血糖の状態になると、血管への負担が大きくなり、血管をもろくして体のさまざまなところに影響を与えてしまうことになります。

血管の障害が起こってしまうと、

  • 血液の悪循環で歯ぐきに栄養が届きにくい
  • 白血球の働きが弱まり歯周病菌への抵抗力が低下
  • 歯ぐきの血管がもろくなり傷が治りにくい

などの影響があります。細菌への抵抗力や修復力の低下が歯周病を悪化させてしまいます。

◆「歯周病→糖尿病」に与える影響

歯周病は進行すると炎症を引き起こし、歯周病菌が出す毒素を血液を介して全身に広げて血糖コントロールに重要なインスリンの働きを低下させてしまい、糖尿病を悪化させます。

また、すでに歯周病が重症化した状態だと歯がグラグラして食事中に傷みがあり、うまく食事をとることが難しくもなります。

そうなると、バランスの良い食事の摂取が困難となる場合もあるので、糖尿病の食事療法にも影響が出る可能性もあります。

◆歯周病を治療すれば糖尿病が改善する?

糖尿病の人が歯周病の治療をして改善がみられれば、同時に糖尿病の改善にも関与します。

歯周病で発生した炎症物質が減少すれば、インスリンの働きを妨げる物質も自然と少なくなるので血糖値を下げやすくなります。

一般的に、歯周病治療で改善する糖尿病の検査値のヘモグロビンA1cは、平均約0.4%ぐらいといわれていて、糖尿病の薬の1剤分にあたる効果があるといわれています。

そのため、糖尿病患者さんは、糖尿病管理の一環として歯周病を治療することに努めることがとても重要となります。

◆糖尿病は医科と歯科の連携が重要

糖尿病の治療は、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」に加え、「禁煙」「歯周病治療」と幅広い治療が必要といわれています。

糖尿病は医科だけの問題ではなく、歯科とも密接な関係があるため、かかりつけの歯科医院を決めて、定期的な受診で歯周病の状態を把握し、コントロールする必要があります。

歯周病の治療には、ご自身での「歯磨き」と「歯科医院でのプロフェッショナルケア」がとても重要です。

ご自身でのセルフケアが完璧にできてると思っていても、ご自身だけの歯磨きの仕方では奥歯や歯と歯の間の細かい汚れは落としにくい場合があります。

かかりつけの歯科医院で汚れが残りやすいところを確認し、最適なケアの仕方を教わりましょう。

また、教えてもらったケアを駆使しても、口の中には何億個という細菌がいるわけですから、どうしても取り切れないこともあります。

ご自身で難しいところは定期的にプロに任せることによって、口の中の磨き残しや溜まった汚れをプロフェッショナルケアで除去してもらい、未然に歯周病の悪化を防いで予防を行っていきましょう。

◆最後に

一見関係なさそうな歯周病と糖尿病ですが、これらは相互に関係し、どちらも悪化することで悪循環がうまれます。

しかし、そうならないためにはどちらの治療も積極的に取り組み、「医科・歯科」との連携をしっかりとることで悪化を防ぐことが重要といえます。

歯周病が進めば、歯を失うことで食事がしずらく、おいしい食事を存分に楽しめない可能性があります。そうなると、豊かな生活の基準のQOLである生活の質が下がることも安易に想定できます。

糖尿病の改善のために歯科でできることは、歯磨き等でのセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアです。必要な治療を早期に受け、定期的な検診でお口の中の環境をしっかりコントロールしていきましょう。

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