A. はい、すべての歯科医院に設置しているわけではありませんが、歯科医院でAEDを設置しているところはあります。
当院でも、アナフィラキシーショックや疼痛性ショックなどにすぐに対応できるように、院内に「AED」や「人工蘇生器」などの救急器具を取り揃えています。
AEDといえば、駅や公共機関などに設置されているのを見たことがあるという方も多いかと思いますが、じつは歯科医院にもAEDを設置しているところがあります。
当院でもAEDを院内に設置しており、歯科治療に用いる局所麻酔のアナフィラキシーショックをはじめ、高齢化社会の現代で増加している全身疾患の管理が必要な患者さまにもしっかり対応できるように、環境を整えております。
そこで今回は、歯科医院における「AED」について皆さまに知ってもらえればと思います。ぜひご一読ください。
AED(自動体外式除細動器)とは
AEDとはAutomated External Defibrillatorの略称で、日本語では自動体外式除細動器という名称です。
この「除細動」とは、けいれん(細動)した心臓の状態を取り除くことを指し、AED(自動体外式除細動器)により心臓に電気ショックを与えて「除細動」することで、正常な心臓のリズムに戻します。
かつてAEDは限られた医療従事者しか使えないものでしたが、現在ではAEDによる音声メッセージの操作指示に従うことで、訓練を受けていない一般の方でも使用できるようになっています。
AEDの基本的な使い方
AEDは一般の方でも簡単に扱えるように音声ガイダンスが流れるため、電源を入れた後は音声ガイダンスに従いましょう。
- まずは、意識があるかどうか患者さまの肩をたたいたり、声掛けをしたりする
- 意識がなければ119番通報をする
- AEDの準備を行う
- 胸や腹部の動きを確認して呼吸が普段通りではない場合、心臓マッサージを行う
- AEDの準備ができたら電源を入れて、音声ガイダンスに従う
- パッドを胸部に貼りつける(心電図が解析されて、電気ショックの要否が判定)
- 電気ショックが必要だとAEDが判定した場合、ショックボタンを押す
★AEDの詳しい内容については、日本AED財団のこちらのページをご覧ください。
そもそもなぜ歯科医院でAEDが必要?
歯科医院では口の中の治療を行うだけなのに、なぜAEDは必要なの?と疑問に感じられている方もいらっしゃるかもしれません。
まずは、歯科医院でAEDが必要な理由について見ていきましょう。
歯科治療中にAEDが必要になることは稀ですが……
歯科治療中にAEDが必要になることはごく稀ですが、ゼロではありません。
たとえば、歯科治療で局所麻酔をした際の「アナフィラキシーショック」や、局所麻酔後に治療への不安や痛みにより極度の緊張状態が続くと、心拍数や血圧が減少して気分が悪くなったり、最悪の場合は意識を失ったりする可能性もあります。
また、現代の日本では高齢化が進み、脳卒中や狭心症の既往など、全身疾患の把握や管理が必要な患者さまが増えてきていることも、AEDの必要性が高まる理由のひとつにあります。
そのため、歯科医院ではこれらのAEDの必要性が高まる可能性のある症例に対し、速やかに救命処置を行えるようにスタッフが心肺蘇生の知識や技能を持つことはもちろん、AEDを設置して対策を行っておくことには非常に重要です。
AEDによって、1ヶ月後の生存率が上昇するといったデータも
ちなみに、総務省消防庁の「令和4年版救急救助の現況」によると、心肺蘇生を実施しなかった場合の1ヶ月後の傷病者の生存率は7%にだったのに対し、一般市民がAEDで除細動を実施した傷病者の1ヶ月後の生存率は49.3%だったそうです。このことからも、AEDによって除細動を行うことは、患者さまの今後の生命に大きな影響を与えるといっても過言ではないでしょう。
(※参照:総務省消防庁HP)
当院は、厚生労働省認定の「歯科外来環境体制加算施設」です
当院は、AED等の緊急時に初期対応ができる医療機器を設置し、より安全に患者さまの歯科外来診療を行えるように環境の整備を行っています。
これにより、当院は厚生労働省より「歯科外来環境体制加算施設」として認定されています。
これからもすべての患者さまに安心して歯科治療を受けていただけるように、引き続きよりよい環境の整備に取り組んでいきます。
★「歯科外来環境体制加算施設」の詳しい内容については、こちらをご覧ください。
まとめ
歯科医院の治療ではAEDが必要になることは、ごく稀なことかもしれません。しかしながら、不測の事態に備えて適切な救命処置を行えるようにしておくことは、非常に重要なことでもあります。
歯科さくらクリニックでは、このような事態に備えて定期的にスタッフの教育を行うとともに、患者さまの緊張を和らげながら治療を行っております。
「やさしく、ていねいに」をモットーに治療を行っておりますので、治療が不安だと感じられている患者さまは、ぜひ一度歯科さくらクリニックへご相談ください。