Q.虫歯が出来ると歯の神経はどうなりますか?
A.虫歯の菌が歯の神経に近づくと、歯の神経に炎症が起きます。
虫歯は、虫歯の菌が糖分を食べて放出した酸が、歯を溶かして大きくなります。歯の真ん中にある神経の近くまで歯が溶けると、外からの刺激が伝わりやすくなり、神経が炎症を起こし始めます。
虫歯の菌が神経まで達していなければ、虫歯を削り取った穴の中に神経を鎮静・保護する薬剤を入れて様子を見ることがあります。数週間おいて炎症が落ち着いたら、最終的な詰め物をします。
もし虫歯が進んで虫歯の菌が神経まで達してしまうと、神経は虫歯の菌に感染して強い炎症を起こし、腐ってしまいます。俗に「神経が死ぬ」とはこのような状態のことをいいます。腐った神経をそのままにしておくと、歯根の先に膿が溜まり、歯の周りの骨が炎症を起こすので、きれいに消毒して神経の入っていた空洞を埋める治療が必要です。
神経を取った歯は活力が無くなってしまうため、神経のある歯に比べてもろく、欠けたり割れたりしやすくなります。虫歯は、できるだけ小さいうちに治療し、神経を守るようにしましょう。
Q.乳歯の神経をとって、永久歯に影響はありませんか?
A.乳歯の神経をとってもしっかりと処置をおこなえば、永久歯には影響はありません。
乳歯の神経をなんらかの理由により、取らなければならなくなった場合にも、その後に生えてくる永久歯にもしっかりと神経が存在し、乳歯と永久歯は独立した個々の歯と考えてください。
しかし、神経をとらなければいけないほどに進行してしまった虫歯を放置してはなりません。なぜならば、そのまま虫歯を放置してしまうと、乳歯の歯の根っこの先端に膿が溜まり、乳歯の下に眠る永久歯のエナメル質が正常に形成されなくなる場合もあり、変色や凹凸が深い永久歯が生えてくる場合もあります。
その他の影響としては、顎が十分に発達しない可能性があります。虫歯になると甘いものや冷たいもので歯がしみるようになります。そうなってしまうと、虫歯ではない歯で食べ物を咬むようになり、顎の発達、噛む力の発育の妨げとなってしまいます。
乳歯が虫歯になり神経をとらなければならなくなると、その乳歯は早期に抜けてしまう場合があります。そうなった場合には、抜けてしまった歯のスペースの両隣の歯が傾いてしまい、近い将来生えてくる永久歯のスペースがなくなってしまい、結果的に歯並びが乱れた状態となってしまう可能性もあり、しっかりと治療を受ける必要があります。
Q.一本だけ歯の色が変わってきました。どうしたらいいでしょうか?
A.歯の神経が死んでしまっている可能性があるかもしれません
歯の神経が機能を失い死んでしまった場合、時間が経つにつれて歯の神経を覆っている象牙質の色がクリーム色から黒褐色を帯びた色へと変色してしまい、歯が茶色、または黒くなったように見えます。
虫歯になり神経をとることで、歯が変色することはありますが、虫歯治療や虫歯になった覚えがなくても、歯を強くぶつけてしまった場合などにも歯の神経が死んで歯が変色してみえます。歯を強打することにより歯の神経内で出血が起こります。そこに口の中の細菌が侵入し、細菌の増殖を抑えるためにリンパ球などの働きを促すために血流量が増加しますが、強打した歯に流入する血液量よりも、流出してしまう血液量が多くなってしまうと、歯の神経内部の圧力が強くなりやが歯髄は壊死します。
変色した歯の色をもとに戻すには、歯の状態にもよりますが、歯のホワイトニングや、補綴物を被せることにより、本来の歯の色を取り戻すことが可能となります。歯を白くする治療方法は数種類ありますが、メリット・デメリットを理解し、歯科医師と相談しながら選択しましょう。
Q.抜歯後に続く歯の痛みの治療法はありますか?
A.はい。ドライソケットになっている場合も考えられるため、速やかに受診し治療を受けましょう。
通常、抜歯後の痛みは数日から1週間以内には治まると言われています。しかし、抜歯から1週間以上経過しても痛みが治まらない場合には、ドライソケットになっている可能性があります。ドライソケットとは、抜歯後にできた空間である抜歯窩に形成されるはずのゼリー状の血液の塊(血餅)が認められず、歯槽骨が露出しているために、外部からの刺激を直接うけてしまい激しい痛みを感じたり、細菌感染によって歯肉が炎症を起したり、強い痛みが生じてしまうリスクを伴います。
ドライソケットの治療法としては、抜歯した部位に麻酔を打ち、本来出てくるはずの血を専用の器具で抜歯窩から掻きだします。掻き出すことで、抜歯窩に血の塊が形成され、徐々に歯槽骨が外部からの刺激を受けにくくなり、痛みが治まり抜歯窩がかさぶたによって塞がれていきます。抜歯後にドライソケットになる確率は2~5%とされ、ドライソケットの治癒期間は個人差がありますが治療後から約2~3週間程と言われています。抜歯後に、なかなか痛みが治まらない場合には、速やかに受診し適切な処置を受けましょう。